かな文字の美しさで、千年の和歌を今に伝える
かつて平安の人々が和歌に託した、細やかな情感や自然への畏敬の念。私は、日本人が漢字から独自に発展させた「かな文字」のしなやかな美しさに魅了され、その伝統を現代のアートとして甦らせる活動を続けています。
私の創作の根底にあるのは、「手書きの文字に宿る暖かさ」です。デジタルな言葉が溢れる現代だからこそ、墨の線と色彩が響きあう「書と絵画の融合」を通じ、送り手の思いを優しく、そして正確に伝える表現を追求しています。
個展では、拾遺和歌集の「月」や、「三十六歌仙」といった古典文学を題材に、明るく清楚で華やかな平安の美学を再現してきました。伝統的な「散らし書き」や「番(つが)いの構造」を重んじながらも、現代の空間に調和し、観てくださる方々の心に「和み」を届ける作品作りを目指しています。
一筆ひとふでに物語、一枚の絵に安らぎをお届けできれば幸いです。千年の時を超えて響き合う和歌の世界をお楽しみください。
手書きの文字には、人の暖かさが宿る。
墨と筆が奏でる一瞬の息吹を、永遠の美へと昇華させる。